第91話   縁起の良い竿   平成16年04月01日  

竿には釣れる竿と釣れない竿があると思っているのは自分だけだろうか?

この年になるまで色々な竿を使ってきたが、不思議と釣れる竿と釣れない竿に出会った。新しく竿をおろし一、二回の釣行で魚が釣れない竿はその後もずっ〜と釣れたタメシがない。値段の高い安いとは違う何かが、あるように思える。いくら高価でも釣れない竿はその後も余り釣れる事はない。自分の周りに7〜8名の釣り人が居て、豆フグの猛攻の中で自分だけが、たまたま縁起の良い竿を使っていて、立て続けに48cm36cmの黒鯛を2枚と36cmのアイナメを上げた事がある。其の後、其の竿では結構楽しませてもらった。

その良く釣れた竿は、昭和48年頃に買って中通し竿に改造した「スーパーカーボン秘宝ヘラ振出21尺である。少し硬めの竿ではあるが、当時としては180gと結構軽めの竿で片手でも長時間持つ事が出来た。この竿には小型同軸リールに道糸1.550m、ハリス1号をつけていたが、初回から大型の黒鯛を上げる事が出来た。尺五寸(45cm)以上は幾枚上げたか分からないほどの実績がある。防波堤、テトラからでも、どちらでも釣る事が出来た竿である。それ以前は「鳥海」と云う中通し用のグラス竿に外ガイドを付けた竿が大活躍した。秋に入り風が少し出て多少荒れ気味の夕方に、岩マエを付け電子ウキを20mも流してやると30cm以上の黒鯛が良く釣れた。記録は45分で尺以上を123枚釣った事がある。

昭和46年頃からイサダ釣りに、はまって24(4.8 mで通常丈六と云う)の竿を良く使うようになった。この頃にメーカー(エビス?)は忘れたが、庄内限定の中通し竿「シノコ鯛」に出会った。この竿は小型の黒鯛、タナゴを釣るのに適した竿で、どちらかと云うとハエ竿系統の細身で軽い竿(130g)であった。この竿でも最高12寸を筆頭に大分数を上げた竿であるが、秋田県小澗漁港の夜釣りの最中に竿ケースに入ったまま波に浚われてなくしてしまった。

竿は外ガイド、インナー、中通し竿と結構持っていたが、車のトランクの竿ケースにいつも45本位は入っている。そして使う竿はいつも縁起の良い竿を使っている事が多い。ここまで来ると縁起を担いで、釣っている自分が可笑しくなる。そして自分にとっての釣れない竿は、他の人にとっては縁起の良い竿になかも知れないので、釣れる事を願い差し上げてしまう事が多い。だから、今手元には苦竹の竿の数本と縁起竿の秘宝ヘラと鳥海など全部で10本位で、昔使っていた竿は、手元にはほとんど残っては居ない。